「ハンナ・アーレント」という映画を観ました。
監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
キャスト:バルバラ・スコヴァ、アクセル・ミルベルク、ジャネット・マクティア、ユリア・イェンチ、ミヒャエル・デーゲン
いい映画でした。
というか、ある意味、好みの映画、でしょうか。
事実を事実として捉える、ということが難しいということを描いているようにも思えました。
多くの人が事実を事実として捉えることができれば、「感動の実話」にはならなかったでしょうね。
つまり、事実を事実として捉えられない人々がいるから「感動の実話」になっちゃった、みたいな。
ある意味、「悪の凡庸さ」と同質な気もして皮肉的でした。
しかし、大なり小なり、組織内で衝突せずに振る舞っている人々は、自分も含めて凡庸さという点においては同質かもしれないと、自戒した1本でした。
けっこういい値段します。。。
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俳優陣も名前は全然知りませんが、とても重厚な、いい演技で、名演と思いました。
中でもロッテ・ケーラー役のユリア・イェンチがお気に入り。
映画の中での位置づけは、というか、実話として捉えたときに、彼女の生き方はどのようなものか若干疑問符がありましたが、主人公には必要な人だったんだろうな、とは思いました。
最後のあたりの「すべての答えが凝縮した魂を揺さぶる8分間のスピーチ」は聴きごたえがありました。
しかしながら、ユダヤな話やイスラエルなどに馴染みのない人はわかりにくい部分もあるかもしれません。
シーンによっては、場所(アメリカとイスラエル)や時代(現代と過去)切り替わるのですが、切り替わったのに気づきにくい気がしましたね。
アドルフ・アイヒマンって誰かに似てるなと思ったら、、手塚治虫漫画にときどき出てくる人に似ている、、、ような気がする。たぶん、ブラックジャック。