海辺の彼女たち

海辺の彼女たち」という映画を観ました(2021/09/13)。

監督:藤元明緒
撮影監督:岸建太朗
キャスト: ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー 他

技能実習生として来日した3人のベトナム人女性が、搾取されていた職場から脱走、ブローカーを介して得た新たな職場は港町。
収入は上がったが、パスポート等は前の職場に取り上げられているため、不法滞在となる。
そんな中、フォンが体調不良(実は来日前の行為が原因で妊娠)になる、という流れのロードムービーな感じ。

何かを糾弾するということでもなく、何らかの解決策を提示するわけでもなく。
事象を繋いでいく。

上映後に監督が『「救いようのない映画」という感想をもらったこともある』と言っていた。
私もまさにそのような感想を持った。
ブローカーはベトナム人だろうし、来日後に妊娠が発覚するなんて自己責任の部分もあるだろうし、
何より、技能実習生から搾取するような受け入れ先には怒りしか覚えない。
そんな実態を無視している政府・行政もしかり。

ではあるが、そのようなことは特にフォーカスされていない。
あえて、ということもあるだろうが。

技能実習生が、少なくとも、日本に来て悲しい思いをせずに済む一助になるような具体策があったら、と思う。

とはいえ、「ラストシーンに温かみを持たせた」という監督の言葉もあった。
この一言がなかったら、私の中でこの映画は「救いようのない映画」という感想のみとなったであろう。
具体策が必要なら映画を観た人が自ら考えろ、ということか。

温かみだけで人は救えない。
温かみがあれば、人はけっこう生きていける、のかもしれない。

日本も安倍・菅政権のお蔭で格差が広がる社会が進んでいる。
そのため、日本人でも低賃金労働や過酷な労働環境で働いている人々も少なからずいるのではないか。
そんな中、技能実習生の方々が厚待遇を受けるのは簡単ではないかもしれない。
しかし、技能実習生は海外との懸け橋でもある。
資源を輸入し、製品を輸出している国としての対応をすべきでしょう。
お友達政治や桜を見る会などでばらまいているお金を使えば、少しはマシになるのでは。

ベトナム人キャストはオーディションで決めたとのこと。
ドキュメント色を意識してか、役名も芸名を利用している。
フィン・トゥエ・アンさん、クィン・ニューさんはファッションモデルもしているとのことで、整ったお顔立ち。

海辺の彼女たち|映画情報のぴあ映画生活

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