監督:纐纈あや
出演:北出精肉店のみなさま ほか
大阪貝塚市
鶏をしめたり、豚の丸焼きであったり、酪農であったりといったものが少しだけ身近にあった私としては、「精肉」についての内容はあまり新鮮味は感じなかったのですが、そういった経験が全くないと、食肉について再認識するいい機会になるかな、と思った映画でした。映画の中では何度か、精肉(と畜も含めて)もほかの仕事と変わらない、仕事の一つ、という感じの言がありました。
とはいえ、初めのほうと終わりのほうの場面はちょっと引き気味ではありました。。。が、食べるために牛を飼育し、結局肉を食べているわけですから、必要不可欠、と思われる行為ではありますね。
しかし、肉をさばくのがなんと手際がいいことよ、という感じ。
居酒屋やスーパーでマグロの解体ショーとかやっていたりすることもありますが、ざっくり言えば、それの牛版ですよね。
ただ、マグロは冷凍になっていてすでに命が奪われていることが多いかと思いますが、この映画の牛はさっきまで生きていた、という映像になっています。
血も温かそうです。。。
もう一つ、狙ってかどうかはよくわかりませんが、「部落差別」についても描写されています。
未だにそのようなものがあるのかと少し驚きました。部落については若い人はあまり知らないこともあり、そのような差別は今後廃れていくのではないかと思いました。その部落出身の人が岸和田城で結婚式を挙げる場面があり、年配の方には感慨深いものがあるのではないかな、と思ったりしました。
しかし、なんだかんだで人は差別をするのが好きなのかもしれず、部落の差別が廃れても、また新たな別の差別が生まれ、差別自体はなくならないと思ったりもします。
ただ、社会的な差別は個人の力で抗うのはとても大変で、そのようなことがまかり通りのは前時代的なこととなり、今後は個人、小グループ的、カルト的な差別に移行していくのではないか、と思ったりしています。
だんじり祭りも出てきます。
やはり少し異質な感じがしますねー。
ここの男衆みたいな人ばかりだったら、と思うと。。。
上映終了後纐纈あや監督の舞台挨拶がありました。
エンドロールの長さの話をしていました。
「ある精肉店のはなし」を応援する会ということで多くの人がエンドロールに名を連ね、長くなっている。
その中に、永六輔さんと鎌田慧さんの名前を見つけました。永六輔さんといえば「大往生」でしょうか。読んでないけど。
鎌田慧さんといえば「教育工場の子どもたち」を学生時代の宿題か何かで読んだ印象が強いです。
とりとめがなくなってしまいましたが、
食を見つめるにはいい映画なんだろうな、ということと、このような現実を知りにくい子どもたちは少し不幸だなと考えたりしました。
2020年も上映予定があるそうです。
https://www.seinikuten-eiga.com/その他会場での上映/