カルト村で生まれました。(漫画)

漫画サイト(ピッコマ)にて無料で読みました。

高田かや 著

カルト村というのはヤマギシズム社会実顕地の村のようです。
ヤマギシズムの村は、農を中心とした共同体のようなもので、子どもは親元を離れてひとまとめになって共同生活する。
寮というか養護施設というか、とてもざっくりいえば、そのようなイメージが近いかもしれません。
基本的に悲壮感はない、はず。

素直なのですが、何でもかんでも世話人の言うことを鵜呑みにするのではない子ども時代の著者の自伝のような漫画。

ほんわかしていたり、ニヒルだったり。
疑問を忘れずにいるけど、やはり世話人に逆らうことはできないというのも、ある意味赤裸々に描写。
ギスギスしていないけれど、実はだいぶ制限されている環境だったということはわかる。

しかしながら、制限されていたことがよかったのか悪かったのかはわからない。
村外では経験できないことを経験したのだろうとは言える。

両親は大人になってからカルト村に入村している。
つまり、ヤマギシズムの考え方に共感したということでしょう。

しかし、その子どもは親元を離れて育ち(親に全く会えないということではない)、親と全く同じ考えを持つには至らず。
村としては親と同じ考えへ誘導していたのかもしれないが、実際はそうはならなかった。
親元にいたら、親の影響を大きく受けて、親と同じ考えを持った可能性が高まったようにも思う。

そういった意味で、ヤマギシズムの子育てシステムは、組織の意に反して多様性を育む土壌であったのかもしれない。

漫画の構成として、第三者(連れ合い)の方が登場するのも、客観視が増えてよかった。


続編がある。

『さよならカルト村で生まれました。』

カルト村でずっと暮らすつもりだった著者が、急転直下、カルト村を出村することになった顛末。
連れ合いとの出逢いは若干驚きましたが、そういうこともありか。

現代の都会での社会生活に疑問がある人、小規模から大規模な自給自足生活に興味がある人にお勧め。

実際の本も入手してみようと思っています。

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